離婚や別居が決定すると気持ちばかりが焦ってしまい、手続きや事務処理を後回しにしてしまいがちです。
自分が損をしないためにも、また、お互いが納得して新しい人生を始めるためにも、きちんとした話し合いの末に関係も財産も清算をすることが大切です。
特に有価証券の場合、現金と異なり保持している方にとっては重要であり存在を意識しやすいですが、配偶者にとっては存在を忘れていたり、知らないうちに購入されていたりする場合もあるかもしれません。
手間はかかるでしょうが、漏れがないか徹底的に相手の財産を調べ上げ、話し合いを重ねることで後々の泥沼化を防ぐことができます。
もちろん専業主婦の場合でも、妻の内助の功があって蓄えられた財産だと考えられます。財産に対する貢献度を計ることができます。
また財産分与には離婚後2年という期限が設けられていますので、お互い後悔しないためにも離婚と同時に清算するのが理想的です。
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有価証券とは
有価証券とは財産権を表象した証券、と言われています。普通の現金とは異なり、約定日や受け渡し日、受益権などが存在するのが特徴です。
具体的には「手形、小切手、株券、債券、商品証券など」が代表的です。
離婚に際しては現金や預貯金の分与と比較して、複雑化しやすい傾向があります。また有価証券については税金が絡む場合もあるので、よく調べる必要があります。
財産分与の対象となる有価証券
結婚後に購入した有価証券のみが財産分与の対象です。
結婚前に購入した有価証券については、個人のものであり財産分与の対象外にあたる場合がほとんどです。
例えば、夫が結婚前に購入した株の価値が結婚後大幅に上がっていたとしても、それは夫の財産です。分配することはできません。
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分与のタイミング
株価などの有価証券は、その価値が刻一刻と変動します。これが一般的な現金や預貯金との大きな違いです。一体いつの「財産(価値)」を確定して「分与」すれば良いのでしょうか?
その答えは基本的に「離婚成立時の評価額」とされています。または別居開始時の評価額が基準として算定されるのが一般的です。
基準としたい日の価値が分からない場合は、有価証券を購入した銀行や証券会社に問い合わせることが可能です。
分与方法
分与の方法は主に、「現物」と「換金してから」の2つの方法があります。
上記で説明しました分与のタイミングや価値の計算が面倒な場合は、現物を分与することが考えられます。この場合、所有者の名義変更の手続きが発生します。
注意しなくてはならないのは、一部の会社では現物を分割するのが困難な場合(譲渡制限株式)があるということです。
また、特殊な例としては、非常に業績が伸長している会社の株式で今売却するのがもったいない、逆に業績が非常に悪く今すぐの売却が困難な時も考えられます。
こういった場合は夫婦の一方が全ての有価証券を取得し、他方にその評価額の代償を支払うという方法もとれます。
税金
分与に際して譲渡益が発生します。所得が増えることになりますので「譲渡所得税」が課せられます。この点をきちんと考えて、上記で説明しました分与方法を決定するべきです。
大切なのは所有している有価証券が現在どのような性質(名義、価値、税金、譲渡の可否など)のものなのかをしっかり確認することです。
離婚における財産分与の中でも有価証券は複雑になりがちです。
漏れや後悔が無いよう、専門家や弁護士を利用することも大切です。
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