離婚時の車、家具、家電などの動産を処分する流れと注意点

離婚時に処分に悩むのが不動産(土地・建物)の次に車、家具などの動産(不動産以外の物)ではないでしょうか?

特に車は価値が高い上に、不動産と似た特質があるため、処分(売却)する際は他の動産以上に注意を払う必要があります。

そこで、この記事では下記の流れ解説してまいりたいと思います。

・離婚時に「車」を処分(売却)するまでの流れ(全体図)

・各段階におけるやるべきことや注意点など

・「家具」、「家電」の処分について

解説してまいりたいと思います。

ぜひ最後までご一読いただき、離婚時に車、家具、家電などの動産を処分する際の参考としていただけると幸いです。

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離婚時に「車を処分(売却)するまでの流れ(全体図)

はじめに車を処分するまでの流れの全体像をつかみましょう。

①車が財産分与の対象となるかどうか(共有財産か特有財産かを)確認する

②(ローンを組んでいる場合)ローンを完済しているかどうか(ローン会社の所有権が車に留保されていないかどうか)、ローンの残高はいくらか確認する

□ ローンを完済している場合は中古車販売店へ売却

③(②と同時に)車を中古車販売店へ査定に出し、査定額を出してもらう

④状況に応じて対応

□ アンダーローンの場合→中古車販売店へ売却

□ 車が特有財産の場合→お金は夫婦いずれかのもの

□ 車が共有財産の場合→ローンを完済し、余ったお金を夫婦で分けあう(財産分与する)

□ オーバーローンの場合→ローンを一括返済ORお金を借りる

では①から順に解説していきます。

①車が財産分与の対象となるかを確認する

車が「共有財産」であれば財産分与の対象となりますが、「特有財産」であれば財産分与の対象外です。

共有財産とは、婚姻中に夫婦が協力して築き上げた夫婦の共有名義の財産のほか、名義は夫婦の片方のみしかないが実質的には夫婦が協力して築き上げた財産(実質的共有財産)も含まれます。

これからすると主として以下のケースでは、車は共有財産にあたるため、財産分与の対象となり得ます。

【車が財産分与の対象となり得るケース】

☑ 婚姻後に夫婦がお金を出し合って車を購入した場合

☑ 婚姻後にローンを組んで車を購入した場合

☑ 婚姻前にローンを組んで車を購入し、婚姻後もローンを支払っている場合

☑ 夫婦の片方が相続、贈与によって車を取得したものの、夫婦の協力があってはじめて車を維持することができたと認められる場合

他方で、

特有財産とは夫婦の一方が婚姻前から有していた財産、あるいは婚姻後であっても夫婦が親の相続などを契機として単独で(自己の名で)得た財産をいいます。

これからすると主として以下のケースでは、車は特有財産にあたるため、財産分与の対象外となります。

【車が財産分与の対象外となるケース】

☑ 婚姻前に車を購入し購入代金、ローンを完済していた場合

☑ 相続、贈与によって車を取得した場合(もっとも、上記のとおり、共有財産となる場合もあります)

なお、上記のケースはあくまでも一例です。

個別具体的事情により共有財産か特有財産かの結論は異なります。

ご自身で判断がつかないようでしたら、早めに弁護士に相談しましょう。

②(ローンを組んでいる場合)ローンを完済しているかどうか(ローン会社の所有権が車に留保されていないかどうか)ローン残高はいくらか確認する

ローンを完済している場合は夫(あるいは妻名義)の財産ですが、ローンを完済していない場合は夫(あるいは妻名義)の財産ではありません。

車のローンを組む際、通常、車にはローン会社の「所有権」が「留保」されています。

所有権が留保されている間は、車は夫(あるいは妻)のものではなくローン会社のものということです。

ローン会社は、車の購入者がローンをきちんと返済してくれるかどうか不安なため、万が一、ローンの返済が滞った場合に車を引き揚げて売却し、売却で得たお金をローンの返済に充てるということを行います。

しかし、購入者の車を勝手に引き上げて売却することはできませんから、車を売却するための権利である「所有権」という権利を車に設定しておくのです。

もっとも、本来、所有権は物(車)1つにつき、1つしか成立しません。したがって、ローン会社は所有権を「留保」するという形で、車に所有権を設定しておくのです。

ローン会社の所有権の留保は、ローンを完済すれば外れます。ローン会社にとってお金を回収できなくなるリスクがなくなるからです。

そして、ローンを完済しローン会社の所有権留保の解除手続きをしてはじめて正真正銘、その車は夫(あるいは妻名義)の財産となるのです。

車が共有財産に当たる場合でも、ローンを完済していない間は特有財産と同じく財産分与の対象外です。

車に会社の所有権が留保されているかどうかは車検証を見れば分かります。

車検証の「所有者の氏名又は名称」欄にローン会社の名前が記載されている場合は、その車はローン会社のものであることを示しています。また、ローンの残高はローンを組んだ際にローン会社から送付される「償還(返済)予定表」で確認することができます。

償還(返済)予定表を紛失した方は、ローン会社へ直接問い合わせてみましょう。

(ローンを完済している場合)中古車販売店で売却する

ローンを完済している場合は中古車販売店で売却しましょう。

前提として車の名義をローン会社から夫婦のいずれかへ変更しておく必要がありますが、中古者販売店側が名義変更の手続きを代行してくれることもあります。

もっともその際、代行手数料がかかる場合もありますので注意が必要です。

車が「特有財産」で財産分与の対象外である場合は、売却で得たお金は全てご自身のものとできます。他方で、車が「共有財産」で財産分与の対象である場合、売却で得たお金は夫婦で2分の1ずつ折半するのが基本です。

この際、車の名義が夫であるか妻であるかは関係ありません。

車が共有財産である場合は、車をいくらで売却できるのかが夫婦の最大の関心事でしょうから、売却するお店選びについてもよく話し合って決めることが大切です。

③車を中古車販売店の査定へ出し、査定額を出してもらう

②と同時に、車を中古車販売店の査定に出し、査定額を出してもらいましょう。

査定額を高く出してもらった方が夫婦にとって得ですから、車が共有財産である場合は夫婦でよく話し合った上で査定に出す中古車販売店を決めましょう。

そして、以下のとおり、査定の結果、ローンの残高が査定額を下回るのか(すなわち、アンダーローンか)、ローンの残高が査定額を上回るのか(すなわち、オーバーローンか)で対処法が異なります。

④(アンダーローンの場合)中古車販売店へ売却

査定に出した結果、ローンの残高が査定額を下回るような場合、すなわちアンダーローン(たとえば、ローン残高「50万円」<査定額「70万円」の場合)であることが判明した場合は、売却金額をローンの完済に充てます。

もっとも、前述のようにローンが完済されていない間は、車にはローン会社の所有権が留保されていますから、法律上夫婦が車を勝手に売却することはできません。

売却するにはローン会社の承諾が必要です。

なお、中古車販売店によっては、「査定→ローン会社の承諾取付け→売却→売却金額の支払い(受け取り、振込み)までの手続きを一括して行ってくれるところもあります。

そして

ローンを完済して余ったお金(上記の例で20万円)は、車が「特有財産」で財産分与の対象外である場合は、夫婦いずれかのものとできます。

他方で、車が「共有財産」で財産分与の対象である場合、余ったお金は夫婦で2分の1ずつ折半するのが基本です。

④(オーバーローンの場合)ローンを一括返済ORお金を借りる

査定に出した結果、ローンの残高が査定額を上回るような場合、すなわちオーバーローン(たとえば、ローン残高「70万円」<査定額「50万円」の場合)であることが判明した場合は、そのままでは車を売却することができません。

したがって、車を売却するには以下のいずれかの方法を取らなければなりません。

ローンを一括返済する

一つはローン(上記の例では20万円)を一括返済する方法です。

この際、返済義務を負うのはローンの契約上返済義務者(債務者)となっている方です。

お金を借りる

返済義務を負っている方が一括返済できない場合は、新たにお金を借りるしかありません。

借り方は自由です。ご家族、ご親族、友人、知人、金融機関、消費者金融などとローン契約を結び、お金を借りる方法があるでしょう。

また、中古車販売店に査定を出した場合は、販売店からローン契約の締結を勧められるかもしれません。販売店とローン契約を結んだ場合は、一括返済から売却までがスムーズにいくというメリットがあります。

もっとも、いずれの方法でも離婚後ローンを返済していかなければなりません。

ローンも財産分与の対象となりますから、車が共有財産の場合は夫婦が2分の1ずつ折半して返済していく、車が特有財産の場合は元々の名義人が返済していく、というのが基本です。

ローン契約を結ぶ際は、夫婦が連帯して返済していくのか、夫婦のいずれかが単独で返済していくのかを決めておく必要があります。

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離婚時の「家具」、「家電」の処分について

家具、家電についても①共有財産か特有財産かを確認しましょう。

共有財産であれば財産分与の対象ですが、特有財産であれば財産分与の対象外です。

家電、家具が共有財産で、かつ、売却した場合は、売却金額を2分の1ずつ折半するのが基本です。

もっとも、不動産や車と異なり、家具、家電は数が多く、一つ一つ売却するには手間や労力を要します。しかも、手間や労力を要する割には、価値は高くありません。

そこで、家具、家電が共有財産の場合は、夫婦で話し合い、お互いが希望するものを引き取り、不要なものは処分(売却、廃棄)するという方法が取られるのが一般的です。

また特有財産の場合は夫婦のいずれかの持ち物となり、処分方法(売却、廃棄、贈与)は持ち主の判断に委ねられます。

まとめ

動産(土地・建物以外の物)の中でも車は、その価値が高く、不動産に似た特質があるため、処分する際には特に注意が必要です。

他の動産(家具、家電など)についても、まずはその動産が共有財産か特有財産かを確認することが処分の出発点となります。

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