子供を大切に想う気持ちがある親であれば、親権はなんとしてでも自分が勝ち取りたいものでしょう。
しかし、夫婦がお互いに親権が欲しいと主張した場合、親権を決定することは容易ではありません。
そこで今回は、『親権』を深掘りしていきます。
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親権の決め方
夫婦で親権者を協議する
もし夫婦どちらかが離婚後は養育費だけを払って親権を全て渡したいと言えば、それで話に決着がつきます。
そう簡単にはいかないことが殆どではないでしょうが、まずは調停や裁判にはせず、協議で親権争いをして決着をつけるようにしましょう。
ここで一つご注意ください。
離婚前に夫婦どちらが親権者になるのかを決めないと、離婚届が受理されません。かならず離婚届を出す前に話し合って決めて下さい。
ただし、離婚を優先して親権者を適当に決定することはやめてましょう。
仮に「後で話し合って変えれば良いか」と安易に離婚届の親権者の欄に名前を書いてしまったら、後で大変なことになってしまいます。
親権者を変更することは、子供の福祉のために良くないと考えられているため、親権者が虐待をするか死亡するかしない限り、簡単に親権の変更が承認されないからです。
離婚届を提出は、親権者の決定をしっかり協議した後にしましょう。
調停で親権者を協議
もし夫婦の協議で親権者を決めることができなかった場合は、調停をすることになります。
調停で話合う場合、結局は夫婦間で話に決着をつけることになります。
調停離婚をしても親権者を決めることができない場合は、更に裁判をする必要があります。
親権の行方は裁判所が決めるので、自分たちで話し合いをして決めるよりも早く決着をつけることができるでしょう。ただ、納得のいく結果にならない可能性があるというデメリットがあります。
また15歳以上の子供がいる場合には、親権を自分で決めることができますので、子供の意見を確認して子供の将来にとって良い選択をしてあげることが親の努めと言えます。
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親権と監護権は分離することができる
親権と監護権は同一のものと考える方が多いですが、実は分離させることができるのです。
実際稀に、親権者と監護権者が別になるケースがあります。親権者と監護権者が別になると、デメリットもありますがメリットが沢山あります。
親権者は一度決めると簡単に変更することができませんので、親権者と監護権者を分離させるということも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
親権とは?
親権とは、未婚の20歳未満の子供を養って育て、子供の財産を管理する権利のことです。
成人の年齢が18歳に引き下げられることが決定しているため、2022年4月から親権は未婚の18歳未満の子供に対してまでになる可能性があります。
親権には、法律行為をする権利も含まれており、移住や就職に関して親の同意が必要な様々な書類にサインをしたり、子供の代わりに親権者が裁判の契約をしたりすることができます。
そして、この親権は「財産管理権」と「身上監護権」の2つに大きく分けることができますので、それぞれご説明します。
財産管理権・・・子供の財産を管理し、子供の法律行為に同意することができる権利。
身上監護権・・・「身分行為の同意・代理権」「居所指定権」「懲戒権」「職業許可権」が含まれています。子供と一緒に住んで子供を育てることができ、法律行為ではなく身分行為である場合には同意をすることができますし、代理で行うこともできます。
親権と監護権を分離するデメリットとメリット
親権と監護権を分離すると、いくつかのデメリットとメリットがあります。
分離するデメリットとしては、親権者の許可なく法律行為ができないため、手術をする際などに親権者に同意を求めなくてはならないことです。
また、子供と一緒に暮らしているとはいえ、監護権者と子供の苗字が異なってしまいます。
そのため、子供のことを考えると自分の苗字を旧姓に戻しづらいでしょう。
もし父親が監護権者となった場合は、子供の苗字を母親の旧姓に変更しなければ監護権者と子供の苗字が異なるといったデメリットを回避することができます。
デメリットが思ったよりも大きいと思った方もいるかもしれませんが、メリットの方が大きいのでご安心ください。
親権と監護権を分離するメリットは、離婚をしても父親・母親と会う機会ができるので、子供が離婚したショックを受けにくいということです。
家族全員が1つ屋根の下で暮らすことができなくなったとしても、子供は2人の親から育てられていると感じることができるでしょう。
そして、仕事が忙しくて育てる暇がないといった場合には、親権だけを握り子育てを監護権者に任せることができるので、バランスを取ることもできます。
子供にとって、親との縁を切るということが何よりも辛いことです。
親権と監護権を分離することで、両親と関りを持つことができるということは、子供にとっては一番良い選択肢なのかもしれません。
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親権の判断基準
「親権は母親有利」と言われています。
例えば、妻の不貞行為が離婚理由になった場合でも、必ずしも夫が親権を獲得できるわけではないというのが現状です。
もっと言ってしまうと、今の日本では、母親である妻が90%以上の確率で親権を獲得できると言われています。
親権を決める際の判断基準は、親がどれだけ子供を愛しているかということではありません。
“どちらの親に引き取られた方が、子供が幸せに生活ができるだろう”と考えた上で親権者を決定します。
また、お腹の中に子供がいる場合の親権は、自動的に母親に渡ります。
これは父親から母乳が出るわけではありませんし、産まれたばかりの小さい赤ちゃんにつきっきりで育てるのは難しいと判断されるからです。
更に子供の成長過程において、幼い頃に母親とスキンシップをとることが良いと言われているため、母親に親権が渡りがちです。子供がまだ幼い頃に離婚をしようとしている方は要注意です。
1人で子供を育てることができる程のお金を稼いでいないから、引き取ることができないのではないか?と心配している方も、ご安心ください。
稼ぎの良し悪しは親権に関係ありません。それは、養育費は毎月決まった額を払うことになっているからです。
判断基準としては、精神疾患があるかどうか、子供を引き取った際にサポートしてくれる人が近くにいるかどうかという観点からも判断されます。
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親権争いに父親が不利な理由
家族を支えるために懸命に働いているのは父親であることが多いですが、実はこれが親権争いを不利にしている理由でもあります。
母親は家事をし、子供の面倒を率先してすることが多いですし、なんといっても子供と関わっている時間が長いです。
そのため、子供に「お父さんとお母さんどっちと一緒に暮らしたい?」というと、大半がお母さんと答えるようです。
さらに、今まで子育てをしてきた母親の方が、父親よりも子育てに問題がないのではないかと言われています。
父親は朝から晩まで会社にいますし、仕事上の付き合いで遅くまで飲むことも多いと考えられます。
また、休日出勤をすることがある方は、子供と遊ぶ時間もあまり設けられない可能性がありますので、子育てがおろそかになってしまうこと考えられてしまいます。
中には、これから頑張れば父親としてちゃんと子育てをすることができると意気込んでいる方もいるので、裁判官や妻を説得するよりも先に、子供にその熱意を伝えて子供の気持ちを自分に向けることがキーポイントです。
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