異議あり!は必ず認められる?

「母親」と「父親」が「話し合って」も「親権者」が決まらない場合は「裁判所」が、どちらの親を「親権者」としたほうが、子供の幸せかということを考慮して決めることになっています。

「裁判所」が家庭訪問や学校訪問、また子供との面談等を行い離婚後の親子関係を考え「親権」を決定したとしても、その結果に「不服」がある場合は、どのような対抗処置をとることができるのでしょうか?

「親権」について「裁判所」が出した結果に「異議」があれば、審判の出された日から2週間以内に異議を申し立てましょう。

審判書謄本が送達された日の翌日から数えて2週間以内であれば、不服申立て(即時抗告)することができます。

即時抗告は当事者に認められた権利です。

期間を過ぎてしまうと原則として異議申し立てをすることができません。その場合は「親権喪失」や「親権停止」等に該当する事実があるとして、新たに申し立てをすることになります。

「親権」の変更を行う場合と同じです。裁判所が出す決定について、その都度異議申し立てをすることになります。

全部又は一部の取消しの際は「容認」、申立てに理由がないときは「棄却」、期間経過後にされたものである等、不適法であるときは「却下」になります。

異議申立てが出された場合には、即座に審判の効力が失われ、審判は無効になると定められています。異議申立てにより審判は効力を失います。

なぜ異議を申し立てるのかといった具体的な理由を異議申立書には記載する必要はありません。

審判に対する異議申立書」に署名・押印し、審判書の謄本を添えて、審判を下した家庭裁判所に提出します。

結果がひっくり返ることがありますか?

「裁判所」は「家庭裁判所調査官」を派遣して、事実関係を調査した上で「子供」にとって一番有利とされるものが親権を持つと決定しました。

その結果に「不服」がある場合で、結果がひっくり返るとすれば、さらに裏付けとなる理由が必要となります。

これは「子の利益を著しく害する時」に生ずる「親権喪失」だったり、「子の利益を害する時」に取られる「親権停止」等に値する事情がある場合と同じ状況に置かれていることが、新たに明らかになった場合かもしれません。

異議があっても、結果がかわらないこともある。

「裁判所」の決定した親権者において「親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」が認められる場合として、どのようなものがあるのでしょうか。

  1. 親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき
  2. 虐待又は悪意の遺棄があるとき
  3. 養育監護の継続性
  4. 子供の年齢、心身の状況
  5. 健康面、経済面、環境面等
  6. 子供自身の意思

といったことをもう一度精査することになります。

例えば、親権を持った側のお母さんが病気だということを隠していてそれが明らかになった。

養育状況や経済力の点で育てることが困難になることが明確になった。

お父さんの虐待が発覚して考え直さねければならなくなったなど、親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害すると判断されれば、結果が変わることがあるかもしれません。

しかしながら新たな事実が見つからない場合は、裁判所の決定が覆ることはありません

極端な事実誤認だけが、判断の理由不備として許されます。憲法違反、判例違反といった重大な理由がなければ、決定を覆すことは難しいでしょう。

子供の利益を第一に考える。

もっとも「父」と「母」の関係が崩れて離婚にいたり、感情的なもつれもある中で、子供との関係や親権のあり方の意見が対立し、異議を申し立てるまでに至っているのかもしれません。

感情の点でも両者の意見が分かれているわけですし、お互いの主張がもつれている中で、裁判所の決定に不服があるのは当然かもしれません。

しかしながら、裁判所が親権者をどちらにするかの判断については、結局、親の都合ではなく、裁判所がどちらを親権者とした方が子供の幸せ、福祉につながるかということが基準になります。

客観性のある事実として、最終的には「子供を大切にできるのは、誰か」ということを示す必要があります。

条件としては「母親」でも「父親」でもなく「子供」にとって一番有利とされるものが親権を持つことになります。

それは裁判所の決定が出る前であっても、出た後であっても、出た後に異議を申し立てて、再度決定されたあとも変わらない事実なのです。