公正証書を作成しておけばよかった。養育費支払い滞納に直面。

シングルマザーにとって、養育費は子どもと生活していく上でとても大切な収入源です。

しかし、残念ながら「離婚するとき養育費の取り決めをしたのに、支払われたのは最初の数ヶ月だけ」という話をよく聞きます。

かくいう私もその一人でした。離婚協議書は作成したものの、公正証書にはしなかったため、いざ養育費が滞納したときにとても苦労しました。

養育費の支払いを元夫に求めても音信不通。連絡が取れても「余裕がない」の一点張り。

弁護士に相談し、『公正証書で強制執行できる』『公正証書は離婚後でも作成できる』ことを知ったのは、恥ずかしながら離婚をして15年後のことでした。

公正証書が無いと強制執行までの道のりが長い

公正証書の作成には時間とお金が掛かるものの、いざ養育費の支払いが滞納したとき、裁判を起こすことなく強制執行できる大きな強みがあります。

私は離婚する際、離婚協議書と公正証書の効力の差を理解できていなかったため、離婚協議書は作成したものの、公正証書にすることまではしていませんでした。

その為、いざ養育費の支払いが滞った時、直接元夫に催促すること以外何もできませんでした。離婚成立後に養育費に関する公正証書を作成することはできないと思っていたからです。

仮に元夫が養育費の支払い滞納し始めた当時、私にもう少し知識があったとしても、養育費の支払いを受けるまでには長い時間と大きな負担が掛かったと思います。

公正証書が無い場合、相手に強制的に養育費を支払わせるためには家庭裁判所へ養育費請求調停の申し立てをします。

この申し立ては相手の居住地を管轄する家庭裁判所にします。よって、相手の居住地が遠方の場合、申し立てに行くこともその後の調停に出席することも大変な労力になります。

また、調停は調停委員が立ち会って双方の事情や資料を確認しながら解決案を提示・提案しつつ合意を目指すものなので、場合によっては長い時間が掛かるでしょう。

だからこそ公正証書作成は重要であり、公正証書の無い養育費支払い請求はとても大変なことなのです。

弁護士に相談してから養育費支払い合意に至るまで

一度は諦めた養育費でしたが、子どもの未来の為、離婚から15年後私は弁護士に相談へ行きました。

まず弁護士からアドバイスされたことは、配達証明付き内容証明郵便で養育費支払いの催促をすることでした。

それと並行し、家庭裁判所へ養育費請求調停の申し立てをするようアドバイスされました。

弁護士に相談して初めて知ったのですが、養育費支払いの時効は原則5年。

調停で双方が合意をしても、養育費支払いは合意した時点から発生となるケースが多い為、少しでも早く元夫に養育費支払いをする意思があるか否か確認するように促されました。

もう一点、万が一調停が開かれる前に元夫から養育費支払いの意思表示があれば、その時には必ず公正証書を作成するようにともアドバイスを受けました。

弁護士のアドバイスを受けて動いた結果、元夫から「今後養育費は必ず支払うので調停はやめてほしい」との連絡を受けました。

私は調停取り下げの条件として公正証書の作成を提示し、元夫から今後の養育費とそれ以外にこれまでの養育費滞納分(二年分ではありますが)を一括で支払う同意も取り付けました。

法律のことは法律の専門家に相談

今回弁護士に相談し、いかに私が勉強不足だったか、たとえどんなに私が勉強していたとしてもこのような満足いく形での決着はできなかっただろうと痛感しました。

今はネットで検索すれば、多くの情報が入手できます。しかしすべての情報が事実とは言えないでしょう。だからこそ今後私が法律の絡む問題を抱えたときにはまず最初に法律の専門家に相談すると思います。