【離婚後の生活費】子どもとの生活に必要な金額

子どもがいる夫婦が離婚すると、多くの場合、母親が親権者になります。

最近はテレビなどでも母子家庭の貧困が取り上げられていることから、離婚後の金銭面が心配で離婚に踏み出せない人もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、母子家庭での生活費について、子どもの年齢や人数別にシミュレーションしていきたいと思います。

離婚が原因で母子家庭になった場合の平均収入

離婚が原因で母子家庭となった場合の平均収入(就労収入)は約175万円とされています。もともと正社員で働いていた方であれば収入はもっと多いですが、離婚時に正社員である女性の割合は低く、ほとんどがパートタイム勤務であることが理由です。

ここに各種の補助・援助費用が含まれると平均で223万円程度となり、この中で生活していかなくてはならなくなります。

母子家庭での生活費の内訳

まず、母1人子ども1人の平均的な生活費の内訳を見てみましょう。

家賃・・・約5万円
水道光熱費・・・1~2万円
通信費・・・1万円前後
食費・・・3万円前後
日用品・・・5000円前後
生命保険・・・1万円前後
レジャー・交際費・・・1万円前後
美容院・化粧品など・・・5000円前後

これだけで毎月の支出総額は14万円ほどです。車に乗っている人は車の維持費とガソリン代なども必要でしょう。

病院や冠婚葬祭などの臨時出費も必要なので考えておかねばなりません。そこに、子どもの教育費がプラスされます。

教育費は子どもの年齢によって変わってきますので、ここからは子どもの年齢別で、上記の基本的な生活費以外にかかる費用について詳しく見ていきたいと思います。

子どもの年齢別の生活費

小学生の子ども1人の場合

上記の基本的な生活費に加え、ランドセルや筆記用具などの消耗品費、指定されている体操着や上履きなどがある場合も一緒に揃える必要があります。

毎月必要なお金としては、給食費の約4000円と、消耗品や教材費で約1万円見ておきましょう。

また、PTA会費、教材費、遠足費、修学旅行の積立金など、不定期で集金される費用もあります。

さらに、学校外で子どもに習い事をさせる場合は7000~1万円程度必要です。

中学生の子ども1人の場合

基本的な生活費に加え、中学校入学時に必要なのが制服代、体操着や上履き、消耗品、教材費、毎月必要な費用は、教材費、給食費、子どもが部活に入った場合は部費も必要になり、平均で1万円~1万5000円です。

さらに小学校同様、不定期で集金されるお金や学校外での習い事のお金も必要です。

また、子どもが男の子であれば食費は月で1万円程上がりますし、スマホを持ったりお小遣いの金額が上がったりと、基本的な生活費の支出が増えるようになります。

ちなみに、公立の小・中学校であれば入学金や授業料の負担はありません。

高校生の子ども1人の場合

基本的な生活費に加え、高校入学時に必要なのが制服代、体操着や上履き、消耗品、教材費、さらに高校では入学金が5650円必要になります。

また、入学時納付金と言って、小・中学校では不定期に集金されていた費用やその他諸費用をまとめて支払わなければならず、平均すると7万円前後必要になります。

毎月必要な費用は、授業料9900円に教育費、子どもが部活に入った場合は部費を合わせて平均2~3万円に高校が家から遠い場合は定期代、毎日の昼食代も必要です。

しかし、授業料は2014年から高等学校等就学支援金制度が設けられたため、申請すれば支援金を受け取ることができます。

また、国の「奨学金制度」を利用するのも良いでしょう。奨学金制度とは一定の所得以下の世帯は授業料が無料になり、条件を満たしていれば給付金を受け取ることができます。

さらに、子どもがアルバイトをして家庭にお金を入れてくれる場合は、収入が増えることになります。

手当や援助制度を利用しよう

高等学校等就学支援金制度や奨学金制度だけでなく、母子家庭では他にも手当を受け取ったり、援助制度を利用することができます。

収入が少なくなると、どうしてもまとまったお金の準備が難しい場合もあると思いますが、利用できる制度を積極的に取り入れていくと良いですね。

児童手当・・・0歳から中学卒業までの子どもを対象で、3歳未満の場合には月額1万円、3歳以上の場合は月額5000円受け取れます。

児童扶養手当・・・1人親の家庭のみ受けられる支援で、金額は所得によって変わります。

児童育成手当・・・1人親で子どもが18歳になるまでを対象に、子ども1人について月額1万3500円の支給を受けられます。

就学援助制度・・・収入が少なく学校に通えない場合、申請することで学費を援助してくれます。年収によって小・中学校まで国の援助を受けることができます。

まとめ

今回は子ども1人の場合で考えて見ましたが、子どもの人数が増えれば増えるほど、その分生活費は高額になっていきます。

しかし、離婚して母子家庭になると、子どもが大人になるまでは母親であるあなたが一家の大黒柱になるのです。

離婚する前に自分と子どもの生活設計をしっかりと立てておくことが大切ですね。